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総選挙間近!? あらためて振り返る維新の会の正体【適菜収】

【隔週連載】だから何度も言ったのに 第71回

橋下徹

 

■選挙直前になると組織的にデマを流すのが維新

 

 総選挙のときの参考になるように大事なことを言っておく。維新は選挙や住民投票直前になると、組織的に嘘、デマを社会に垂れ流す反社会集団であるということだ。

    *

 第1回目の住民投票直前に橋下が何を言っていたか思い出したほうがいい。「都構想の住民投票は1回しかやらない」「賛成多数にならなかった場合には都構想を断念する」「今回が大阪の問題を解決する最後のチャンスです」「衰退する大阪を変える最初で最後のチャンス」。維新の公式HP、街頭演説、タウンミーティング、在阪民放5局の大阪維新の会のCM……。ありとあらゆる場所で、橋下は「これが最後だ」と繰り返し、否決後3ヶ月もしないうちに、再び「都構想」をやると言い出した。

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 2020年の2度目の住民投票で否決されると、吉村洋文は3度目はないと明言したが、しばらくすると「大阪維新の会として都構想の看板を下げているわけではありません」と手のひらを返した。

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吉村洋文

 

 吉村も絵に描いたようなデマゴーグである。吉村は街頭演説などで、昔の大阪市は大赤字でそれを立て直したのが維新市政だったという趣旨の発言を繰り返してきたが、これも大嘘。大阪市のホームページには21年度一般会計決算について、《平成元年度以降三三年連続の黒字となりました》とある。2022年の参院選の政見放送で松井一郎は大阪の私立高校の入学金が無償である旨の発言をしたが、これも完全なデマだった。

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 衆院選の公示日を2日後に控えた20211017日、馬場はNHK『日曜討論』に出演し、「私立高校も、大阪では完全に無償と」と維新が組織的に流しているデマを繰り返した。その後、会見で記者が嘘を指摘すると馬場はこう答えた。

「言いぶりというのはありますよね。選挙の時ですから。私がそれ国会で、公の場で質問したりとか、そういうことをしているということであれば大問題ですけれども、もちろんカッコ書きの中に所得制限はありますけれども完全に無償化してますと、該当者の皆さん方には完全に無償化していますという意味合いでね、言ってるんです」

 要するに、選挙の際には嘘をつくと言っているわけだ。

     *

馬場伸幸

 

 馬場は応援演説でもデマを流している。2017年の堺市長選では、「大阪市は既に水が余っています。大阪市は40%近くの水を廃棄しているんです。捨てているんですよ」「これを堺に引っ張ってきたら水道料金は下がるんです」と発言。給水量は水道局が日々調整しており、多いときには翌日に量を減らしてコントロールしているため、余った水を捨てることはありえない。大阪市水道局はこれを否定した。

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  • 目次

はじめに−−「B層」とは何か?

✳︎

第一章 内田樹と『日本辺境論』

辺境と偏狭

プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

B層グルメと某評論家

B層という言葉が出てきた経緯

なぜ日本はこんなことになってしまったのか

ルース・ベネディクトの『菊と刀』

安倍晋三の行動原理

学問のブレイクスルー

マイケル・ポランニーと暗黙知

百人一首を暗記する意味

「型」を知るということの贅沢

 ✳︎

第二章 自立を拒絶する人たち

白井聡の『永続敗戦論』

終戦記念日という欺瞞

冗談は櫻井よしこさん

「サヨク」と「保守」の自己欺瞞

「主権の欲求不満」の解消

 ✳︎

第三章 「正義」を笠に着る人たち

ウクライナ首都の名称変更は「正義」なのか?

「人間は見たいものしか見ない」

社会的リンチというB層の「正義」

人種問題における「正義」の暴走

「ルッキズム」批判は「正義」なのか?

言葉狩りは「正義」なのか?

若年層に選挙権を与えるのは「正義」なのか?

山本太郎と「正義感」について

 ✳︎

第四章 陰謀論に走る人たち 

「無知の知」と「無恥の恥」

不道徳としか言えない果物屋

「維新に殺される」

新型コロナは「バカ発見器」でもあった

ひっくり返って駄々をこねる老人たち

Yahoo!ニュースのコメント欄

知識はあるけど教養がないバカ

デマは言論の自由にあらず

社会の変化は元には戻らない

99%の人が知らない話

✳︎ 

第五章 無責任な人たち

安倍の次は維新に騙されるB層

メディアの劣化が止まらない

大阪都構想のデマと事実隠蔽

総選挙で湧いてきたB層

✳︎ 

第六章 恥知らずな人たち

飼い犬の遠吠え

安倍晋三の本質を映し出す一枚

ツッコミ待ち政治家だらけの国

日本の崩壊に気づいていないB層

日本最大の権力者は「改革バカ」

「ジューシー」発言は外部の拒絶

悪意なく嘘を重ねる人々

カルト化した自民党広報本部

百田尚樹の「歴史改ざんファンタジー」

日本人は悪に屈したネトウヨ用語を使い騒ぎ出した元首相

✳︎ 

おわりに−−人間は過去を忘れ野蛮は繰り返される

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オススメ記事

適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

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